ダイレクト・リクルーティングのメリットと、成功のポイント

こんにちは、Azuです!

今回は、前回の記事(ダイレクト・リクルーティングって? 3つの種類と、普及の背景)に続いて、ダイレクト・リクルーティングについて更に調べてみたことを紹介します。

ダイレクト・リクルーティングの強み

ダイレクト・リクルーティングの強みとは、いったいなんでしょう?特に人材紹介と比較した内容をまとめてみました。

1.潜在層にアプローチが可能

「まだ転職はしないけど、どんな企業からオファーがあるのか試してみよう」と考えてスカウト型の転職サイトに登録している人や、Facebookなどのソーシャルメディアを普通に活用している人など、転職市場に出てこない潜在層にもアプローチができます。

※転職潜在層:「現職で漠然と悩んでいる」「オファーがあればまずは話を聞いてみたい」「今すぐに転職する予定はないが、将来的に転職する可能性はある」といった方たち

2.採用力が身に付く

自分たちで採用に取り組んでいくため、採用力を付けていくことができます。最終的に「なぜ採用に成功したのか?」、「なぜ採用に失敗したのか」を振り返ることができ、自社内に採用の知見を貯めることができます。

3.時間の短縮

ダイレクト・リクルーティングは、経営者や採用担当者が直接アプローチします。そのため、候補者に高い動機付けができ、直接面談にとりつけられるため、選考のステップが少なく済むというメリットもあります。

人材紹介会社の場合は、経営者や採用担当者が人材紹介会社の営業担当に求人情報を伝え、営業担当がキャリアコンサルタントに伝え、そしてキャリアコンサルタントが候補者に伝えるというプロセスが必要になり、情報が候補者に対してスピーディに伝わらないケースがあります。

4.コスト削減

人材紹介会社への紹介料は年収の30%~35%が必要です。それだけでも高額ですが、売り手市場の現在は、40%以上の高額な料率を出している企業が更に優遇されている場合もあります。

ダイレクト・リクルーティングの場合は、ソーシャルメディアを利用した場合はコストはかからず、スカウト型の転職サイトの場合は、年間60万円程度+成功報酬が年収の15%~20%程度となり、コストもリスクも下がるようです。

※ただし、ダイレクト・リクルーティングには人事が直接に手を動かすため、運用の工数が必要となりますので、十分に認識が必要です。

ダイレクト・リクルーティングを始めるまでのステップ

ダイレクト・リクルーティングの経験がない人事担当者が、いきなり、ターゲットとなる候補者と企業を繋げていくという行為は、なかなか難しいと思われます。

そもそも社内に採用に精通している人員がいない場合も多いと思います。人事と言っても、制度企画、評価、労務、給与社保など仕事内容はさまざまです。そもそも中小企業やスタートアップの場合、人事担当者が社内にいないこともあります。経営陣や営業担当が、メインとなる業務をする一方で、採用を担うこともあるはずです。

そもそも採用についてのノウハウが浅い、候補者にどんなメッセージを送ればいいのか分からない、という状態から、すぐに成果を出すのは難しいと言えます。そのため、ダイレクト・リクルーティングだけに採用方法を絞るのではなく、従来のハローワーク、紹介会社、求人媒体などに加えて、ダイレクト・リクルーティングを少しづつ取り入れていくことが必要です。

ダイレクト・リクルーティングを成功させるポイント

まず大前提として、採用においても、PDCA サイクル(P:planning“計画”, D:do“行動”, C:check“評価”, A:action“改善”)を回すことが大切です。計画(目標)と、行動した結果に差が出たら、要因を分析して改善案を出し、日々のアクションに落とし込んでいくことが重要です。

そしてダイレクト・リクルーティングを成功させるためには、3つのポイントがあります。

1.求人要件にマッチした候補者を見つけること

まずは「自分の会社に合った人はどんな人か?」と考えながら、人材データベースの中で条件を絞り込み、ターゲットを探してみましょう。

実際にどのような経歴を持つ人材がいて、その中でもどのような人材が自社にあいそうかなど、具体的なペルソナが頭の中でイメージされていきます。それに伴い、欲しいと思えた人材の経験を、自社の求人要件に記載するなどして、求人要件も整理していけます。

2.候補者の心をギュッとつかむライティング

これまで人材紹介会社に任せていた求人票を、自分で書いてみましょう。そのうえで、Web上の求人原稿をポジション別に作成していく必要があります。

採用目線で書く文章は、自分の考えを書く文章とは異なりますので、求職者の視点を意識した上でのライティング能力が必要です。これは、競合他社の求人原稿や記事の中から、良いと思えるものを真似していくことから始めるのをお勧めします。後はその継続と、慣れだと思います。笑

3.選考プロセスで魅力付けをすること

これまでエージェントを利用していた場合、候補者が面接に来るまでに、エージェントが人事の代わりに会社や求人内容をアピールして、既に魅力付けがされています。ダイレクト・リクルーティングの場合には、自ら魅力付けを行う必要があります。

面接の場は、自社にあった人を選ぶという選考の目的もありますが、相手に自社を選んでもらうための、魅力付けの場でもあります。更に面接の後も、企業の人事採用担当がエージェントに代わって、候補者の内定承諾までをアシストしなければなりません。候補者と同じ目線に立って採用プロセスを進めていく必要があります。

まだまだこれから採用市場で普及していくであろうダイレクト・リクルーティング。
「この人に会いたい」と思い、自ら声をかけ、実際に会って、面接に進み、その人が入社した時の喜びは他には代えられないものであり、採用担当者としてやりがいの一つになるものだと思います。


私も人事採用における運用コンサルタントとして、早速、さまざまな企業様の採用プロジェクトにジョインさせていただいております。
ダイレクト・リクルーティングについても、さらに理解を深め、企業様の人事採用に貢献できるよう努力していきたいと思います。